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【コラム】直貼りフローリングとは?メリット・デメリットと他工法との違いを解説

近年、リノベーション市場の拡大により、直貼りフローリングが注目されています。施工の簡便さやコスト面のメリットから、多くのマンションや商業施設で採用されるようになりました。今回は、直貼りフローリングの基本的な特徴やメリット・デメリットに加え、二重床工法や捨て貼り工法など、他の施工方法との違いもわかりやすく解説します。

直貼りフローリングとは?

直貼りフローリング

直貼りフローリングは、コンクリートスラブや合板などの下地に接着剤で直接貼る施工方法で、下地材を使用しないため工期の短縮や施工コストの削減が可能です。床厚を抑えられる点も魅力で、マンションや商業施設など幅広く採用されています。直床は1970年代から2000年頃まで日本のマンションで主流だった工法で、とくに2000年以前の建物の多くが直床構造です。施工時には構造に直接衝撃が伝わるため、遮音性能を高めた緩衝材付きの防音フローリングを選ぶことが重要で、マンションの防音規定に合った製品を使用することで快適な住環境を実現できます。直貼りフローリングは、工期・コスト・床厚のバランスに優れた実用的な床工法です。

直貼りフローリングと他の工法の違い

フローリングの工法には、「直貼り」だけでなくいくつもの方法があります。
建物の構造や使う場所によって、最適な工法はさまざま。
ここでは、直貼り以外の代表的なフローリング工法をわかりやすくご紹介します。

二重床工法

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が2000年に施行されて以降、取り入れられるようになった二重床。

二重床工法は、コンクリートスラブと仕上げフローリングの間に空間を設ける施工方法です。防振ゴム付きの支持脚でフローリングを支えることで、上下階への衝撃音を抑え、遮音性を高める効果があります。また、床下空間には給排水管や配線を設置できるため、メンテナンスや将来の間取り変更も容易です。戸建て用の直貼りや捨て貼りフローリングも使用可能で、マンションや集合住宅など、遮音性と利便性を重視した建物で広く採用されています。

出典:国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律の概要」

捨て貼り工法

捨て貼り工法とは、床下の根太の上に強度のある合板(捨て貼 張り材)を敷き、その上にフローリングなどの仕上げ材を施工する工法です。無垢フローリングを使用する現場では、最も一般的な工法と言えます。下地の合板を設置することで、フローリング自体の強度に過度に依存せずに施工でき、安定した仕上がりが可能です。合板が振動や音を吸収するため防音性が向上し、床の平滑性や耐久性も確保されます。また、床がフラットになるため床暖房などの設備設置も容易で、マンションの二重床工法と同じ製品を使用できるなど、汎用性の高い工法として広く採用されています。

【コラム】「床の施工方法」捨て貼りとは?特徴やほか工法との違いを解説

こちらの記事では、床の施工方法「捨て貼り」について解説しています。
特徴やその他の工法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

根太張り工法

根太張り工法とは、木造住宅の床組みにおいて、根太を等間隔(303mmまたは455mm)に配置し、その上に使用する対応フローリングを直接貼る施工方法です。根太と根太の間に空間ができるため、床下の通気性が良く湿気の滞留を防ぎますが、底冷えのリスクもあるため断熱材を敷くことが一般的です。根太張り用のフローリングは空間に対応できる強度が求められ、継ぎ目の少ない長尺タイプが推奨されます。また、重い家具を置く場合は根太間隔を調整し強度を確保すると安心です。無垢フローリングを使用する現場でも採用される伝統的で信頼性の高い工法です。

上貼り(重ね貼り)工法

上貼り(重ね貼り)工法は、今ある床の上に新しい床材を貼る工法です。既存の床材を撤去する必要がないため、貼り替え工法に比べて工期が短く、費用も比較的安価に抑えられます。しかし、既存の床材の上に新しい床材を貼ることで、床の高さが上がり、施工後に段差が生じる場合があります。また、扉や巾木などに干渉する場合は施工できなかったり、建具等の調整が追加で必要になる場合もあります。

直貼りフローリングのメリット

直貼りフローリングは、手軽に施工できるうえに仕上がりもきれいな人気の工法です。
リフォームや集合住宅など、さまざまな場面で選ばれる理由があります。
ここでは、そんな直貼りフローリングの主なメリットを見ていきましょう。

コストを抑えられる

下地材を使わず接着剤で床に直接貼る工法のため、下地材の購入や設置作業が不要になり、材料費や施工時間を大幅に削減できます。さらに施工手順がシンプルなため人件費も抑えられ、従来工法と比べて全体の工事コストを効率的に低くできるのも特徴です。物件価格が高騰する昨今、コスト削減を目的に直貼り工法を採用するケースが増えています。

天井を高くできる

直貼り工法では下地材を省略できるため、床厚を抑えることが可能です。その結果、天井高を十分に確保でき、空間に広がりを持たせられます。特に天井高を重視したいマンションやリノベーション物件では、開放感のある室内を演出でき、照明や空調設備の取り付けもしやすくなるなど、設計面でもメリットがあります。

直貼りフローリングのデメリット

便利で使いやすい直貼りフローリングにも、いくつかのデメリットがあります。
施工前に知っておくことで、後悔のない選択につながります。
ここでは、主なデメリットと注意点を見ていきましょう。

衝撃音が伝わりやすい

スラブの厚さや種類、床の仕上げ材によっては、衝撃が床に加わると、音が下の階へ直接伝わりやすくなるデメリットがあります。特にマンションなど集合住宅では、子どもの足音や物の落下音が階下に響きやすく、生活音トラブルの原因になることもあります。衝撃音の軽減には、裏面に遮音緩衝材を備えたフローリングを選ぶことが重要で、設置場所や規定に応じた製品選びが求められます。

水回りのリノベーションが難しい

水回りのリノベーション時に配管位置の変更が難しい点がデメリットです。既存の床材や下地に直接接着されているため、配管の移設や追加工事を行うと床材を剥がす必要があり、作業が手間でコストもかかります。また、水の浸入によるカビや腐食のリスクもあるため、水回り改修時には慎重な計画と下地確認が不可欠です。

まとめ

直貼りフローリングは、下地材を使わず接着剤で直接施工できるため、工期やコストを抑えつつ天井高も確保できる工法です。ただし、衝撃音が伝わりやすく、水回りリノベーション時の配管移設には制約がある点に注意が必要です。一方、二重床工法や捨て貼り工法、根太張り工法などは、遮音性や床の安定性、設備設置のしやすさなどに優れるため、物件の種類や用途、施工条件に応じて適切な工法を選ぶことが重要です。目的や環境に合わせて床材と施工方法を選択することで、快適で長持ちする住まいを実現できます。
LDKplusでは、フローリングに関する相談を受け付けております。お困りの際にはぜひお問い合わせください。