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【コラム】「床の施工方法」捨て貼りとは?特徴やほか工法との違いを解説

床の仕上げ方は、住まいの快適さや使い心地を左右する大切なポイントです。ひと口に床の施工といっても、捨て貼り工法・根太張り工法・根太レス工法・直貼り工法・二重床工法など、さまざまな方法があり、それぞれに特長や向き不向きがあります。
そのなかでも「捨て貼り工法」は、多くの住宅で採用される標準的な工法のひとつです。本記事では、捨て貼り工法の仕組みやメリット・デメリットを解説するとともに、ほかの施工方法との違いについても分かりやすくご紹介します。

捨て貼り工法とは?

捨て貼り工法(すてはりこうほう)とは、床工事で最も一般的に使われる方法のひとつです。根太と呼ばれる床下構造材の上に12mmの合板を敷き、その上に仕上げの床材を施工します。合板が振動や音を吸収するため防音性が高く、下地が強固なのでフローリングの歪みやきしみも抑えられます。また、床をフラットにできるため、床暖房などの設備も設置しやすいのが特徴です。

メリット

  • 床が安定する:合板下地でフローリングの歪みやきしみを抑えられる
  • 防音性が向上:振動や音を吸収し、歩行音などが軽減される
  • 床仕上げがきれい:平らな下地で施工できるため、仕上がりが美しく、床暖房など設備も設置しやすい

メリット

  • 施工費・材料費が増える:下地合板を追加する分、費用がかかる
  • 床が厚くなる:既存床より高さが上がるため、段差や建具に注意が必要
  • 工期がやや長くなる:下地合板の施工工程が加わるため、根太張貼り工法より時間がかかる

捨て貼り工法とほかの床材施工方法の違い

フローリングの工法には、「捨て貼り」だけでなくいくつもの方法があります。
建物の構造や使う場所によって、最適な工法はさまざま。
ここでは、捨て貼り以外の代表的なフローリング工法をわかりやすくご紹介します。

根太張り工法

根太張り工法とは、木造住宅の床組みにおいて、根太を等間隔(303mmまたは455mm)に配置し、その上に対応フローリングを直接貼る施工方法です。根太と根太の間に空間ができるため、床下の通気性が良く湿気の滞留を防ぎますが、底冷えのリスクもあるため根太間に断熱材を敷くことが一般的です。根太貼り用のフローリングは空間に対応できる強度が求められ、継ぎ目の少ない長尺タイプが推奨されます。また、重い家具を置く場合は根太間隔を調整し強度を確保すると安心です。

ネダレス(根太レス)工法

根太レス工法(ネダレス工法・剛床工法)とは、床組みの際に細い木材の「根太」を使わず、厚手の合板を梁(大引)に直接貼り付けて床を構成する工法です。従来の根太工法に比べ、施工効率が高く工期を短縮でき、必要資材も少ないためコストも抑えられます。また、床を剛床にすることで地震や台風などの水平力に強く、建物全体の耐震性も高まります。

直貼り工法

直貼り工法とは、コンクリートスラブや合板などの下地に接着剤で直接貼る施工方法で、下地材を使用しないため工期の短縮や施工コストの削減が可能です。床厚を抑えられる点も魅力で、マンションや商業施設など幅広く採用されています。直床は1970年代から2000年頃まで日本のマンションで主流だった工法で、特に2000年以前の建物の多くが直床構造です。施工時には構造に直接衝撃が伝わるため、遮音性能を高めた緩衝材付きの防音フローリングを選ぶことが重要で、マンションの防音規定に合った製品を使用することで快適な住環境を実現できます。直貼りフローリングは、工期・コスト・床厚のバランスに優れた実用的な床工法です。

【コラム】直貼りフローリングとは?メリット・デメリットと他工法との違いを解説

こちらの記事では、直貼りフローリングについて解説しています。
メリット・デメリットや他工法との違いも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

二重床工法

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が2000年に施行されて以降、取り入れられるようになった二重床。

二重床工法は、コンクリートスラブと仕上げフローリングの間に空間を設ける施工方法です。防振ゴム付きの支持脚でフローリングを支えることで、上下階への衝撃音を抑え、遮音性を高める効果があります。また、床下空間には給排水管や配線を設置できるため、メンテナンスや将来の間取り変更も容易です。戸建て用の直貼りや捨て貼りフローリングも使用可能で、マンションや集合住宅など、遮音性と利便性を重視した建物で広く採用されています。

出典:国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律の概要」

上貼り(重ね貼り)工法

上貼り(重ね貼り)工法は、今ある床の上に新しい床材を貼る工法です。既存の床材を撤去する必要がないため、貼り替え工法に比べて工期が短く、費用も比較的安価に抑えられます。しかし、既存の床材の上に新しい床材を貼ることで、床の高さが上がり、施工後に段差が生じる場合があります。また、扉や巾木などに干渉する場合は施工できなかったり、建具等の調整が追加で必要になる場合もあります。

捨て貼り工法でフローリングを施工する際の流れ

捨て貼り工法は、下地をしっかり整えてからフローリングを仕上げていく施工方法です。
床の安定性が高く、仕上がりもきれいになるのが特徴。
ここでは、実際に捨て貼り工法でフローリングを施工する際の手順をわかりやすくご紹介します。

下地(根太など)の準備

床組として根太などを所定の間隔で配置します。

捨て貼り合板の敷設

根太の上に合板を敷き詰めます。この際、合板の伸縮による突き上げを防ぐため、2mm程度のすき間を開けて貼るのがポイントです。

フローリングの施工

捨て貼り合板の上に接着剤を塗布し、フローリング材を釘と接着剤、またはステープルで固定します。

まとめ

捨て貼り工法は、床の強度と快適性を両立できる代表的な施工方法です。下地に合板を敷くことで床全体が安定し、防音性や床暖房との相性も良く、日常生活の質を高めます。
一方で、費用や工期が増えるデメリットもあります。メリット・デメリットを理解したうえで選ぶことが大事です。本記事が、工法選びの参考になれば幸いです。
LDKplusでは、フローリングに関する相談を受け付けております。お困りの際にはぜひお問い合わせください。