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【コラム】防音フローリングの選び方|遮音等級から施工方法まで徹底解説

マンションなどの集合住宅に住んでいると、上の階から聞こえる足音や生活音が気になることがあります。人によっては気にならなくても、気になる人にはストレスに繋がる騒音問題。快適な暮らしを続けるためにも、防音フローリングでしっかりと対策を取りましょう。床下に伝わる音を抑える構造で、静かで心地よい空間づくりをサポートします。
この記事では、防音フローリングの特徴や遮音等級の見方、選び方のポイントについてわかりやすくご紹介します。集合住宅にお住まいの方や騒音対策を検討している方におすすめの内容です。

防音フローリングとは?基本的な仕組みと効果

防音フローリングとは、床を通じて伝わる生活音を抑える機能を持った床材のことです。足音や物を落とした音などを軽減し、集合住宅でも快適に過ごせる環境づくりに役立ちます。床材の裏面にクッション層や特殊素材を設けることで音の伝わりを和らげ、上下階への騒音を軽減します。防音フローリングの基本的な仕組みや性能を順にご紹介します。

軽量床衝撃音と重量床衝撃音の違い

軽量床衝撃音(LL値):スリッパで歩くパタパタ音や、スプーンを落としたときのチャリンという音のように、比較的軽い衝撃音のことを指します。

重量床衝撃音(LH値):子どもが飛び跳ねたときなどに発生するドスンというような音のように、重い響きの衝撃音のことを指します。重量床衝撃音は建物の剛性など構造そのものによって左右されます。

一般フローリングとの構造的違い

防音フローリングは、一般的なフローリングと異なり、遮音性を高めるために裏側に特殊クッションシートを貼りつけています。床材の裏面にクッション層を設けることで音の伝わりを和らげ、上下階への騒音を軽減します。
そのため、一般的なフローリングに比べると歩いたときに柔らかく沈むような感じがします。これは遮音性能を得るための構造上起こる現象になります。

防音室との性能の違い(よくある誤解)

防音フローリングは、主に床の衝撃音(足音や物を落とした音)を階下に伝わりにくくする床材です。一方、防音室は部屋全体の音を遮断・吸音し、外部への音漏れや外部からの音の侵入を大幅に防ぐ構造になっています。防音性能の範囲に違いがあり、フローリングは「床」という限られた範囲の衝撃音を低減するのに対し、防音室は「部屋全体」の音を遮音・吸音するため、その効果は大きく異なります。

遮音等級の種類と選び方|LL-45とΔLL-4の違いを解説

防音フローリングを選ぶ際には、遮音性能の目安となる「遮音等級」を理解しておくことが重要です。従来は「LL-45」「LL-40」といった推定L等級を用いた表記が使われてきましたが、2008年4月に「床材の床衝撃音低減性能の表現方法に関する検討委員会」から、新しい表示方法「ΔL等級」が発表され、「ΔLL-4」「ΔLL-5」といった新しい表記方法に変更となりました。

従来表記の「推定L等級」とは

推定L等級(空間性能)とは、上の階で発生した床衝撃音が、下階の部屋(空間)でどの程度の音に聞こえるかを示すものになります。定められた実験室・実験方法で、対象となる防音フローリングの床衝撃音低減性能を測定し、その測定結果を元に、その製品が実際に使用された状態を推定したものです。

遮音等級[重量衝撃音]ひとの走り回り、飛びはねなど[軽量衝撃音]いすの移動音、ものの落下音など生活実感、プライバシーの確保
L-40かすかに聞こえるが、遠くから聞こえる感じ遠くから聞こえる感じ上階で物音がかすかにする程度・気配は感じるが気にならない
L-45聞こえるが、意識することはあまりない小さく聞こえる上階の生活が多少意識される状態・スプーンを落とすとかすかに聞こえる・大きな動きがわかる
L-50小さく聞こえる聞こえる上階の生活状況が意識される・椅子を引きずる音は聞こえる・歩行などがわかる
L-55聞こえる発生音が気になる上階の生活行為がある程度分かる・椅子を引きずる音はうるさく感じる・スリッパ歩行音が聞こえる
L-60よく聞こえる発生音がかなり気になる上階住戸の生活行為がわかる・スリッパ歩行音がよく聞こえる
出典 日本建築学会:建築物の遮音性能基準と設計指針

推定になるので物件によってスラブの厚みや梁の間隔などが違うため、実際の性能には違いがでます。
推定L等級は2008年にJIS規格が改正され、現在は「Δ(デルタ)L等級」という新規格に変わっています。

新規格の「ΔL等級」とは

ΔL等級は、実験室で測定された床衝撃音レベルの低減量をもとに、床材の衝撃音低減性能を等級で表した新しい規格です。測定される衝撃音は軽量床衝撃音と重量床衝撃音の2種類に分かれ、前者はΔLL等級、後者はΔLH等級として表示されます。ΔLLはΔLL-1~5、ΔLHはΔLH-1~4の等級があり、数字が大きいほど衝撃音の低減性能が高いことを示します(表1参照)。

床衝撃音の種類軽量床衝撃音重量床衝撃音
等級
(読み方)
ΔLL等級
(デルタ・エルエル・トウキュウ)
ΔLH等級
(デルタ・エルエイチ・トウキュウ)
等級の設定ΔLL-1~5等級ΔLH-1~4等級
出典 日本建築学会:表1 床衝撃音の種類とΔL等級の設定
遮音等級特級1級2級3級
遮音性能の水準遮音性能上、
特にすぐれている
遮音性能上、
すぐれている
遮音性能上、
標準的である
遮音性能上、
やや劣る
性能水準の説明特に高い性能が要求された場合の性能水準建築学会が推奨する好ましい性能水準一般的な性能水準やむを得ない場合に許容される性能水準
対応するL等級
(軽量床衝撃音)
LL-40(ΔLL-5)LL-45(ΔLL-4)LL-50(ΔLL-3)
LL-55(ΔLL-2)
LL-60(ΔLL-1)
出典 日本建築学会:適用等級の意味

管理規約における遮音等級の確認方法

マンションなどの集合住宅では、管理規約で遮音等級が定められていることが多くあります。規約には、防音フローリングの使用可能な等級や施工ルールが記載されている場合があるため、リフォームを検討する際は事前に確認しておくことが大切です。

  • 管理規約の条文を確認する
    「リフォーム」「専有部分の修繕」「床材」といった項目に記載されていることが多く、具体的な数値も示されている場合があります。例:「フローリングへ変更する際は、軽量床衝撃音レベル低減量等級L-45以上の性能を持つものを使用すること」。
  • 管理会社に問い合わせる
    管理規約が手元にない場合や内容が不明確な場合は、マンションの管理会社に問い合わせましょう。管理会社は規約を保管しており、正確な情報を確認できます。
  • 重要事項説明書を確認する
    売買契約時に交付される重要事項説明書にも、床材の遮音等級(L値)や建物構造(スラブ厚など)が記載されていることがあります。
  • 住宅性能評価書を確認する
    住宅性能評価書が作成されているマンションでは、遮音性能を含む建物品質の詳細な評価が明記されています。より正確な遮音等級を知りたい場合に参考になります。

施工方法別メリット・デメリットの比較

床の施工方法によって、コストや工期はもちろん、仕上がりの床高や歩行感、配線・配管の自由度なども大きく変わります。
ここでは、見た目や快適性、施工効率まで含めたプロの視点から、各工法のメリット・デメリットを比較。リフォーム内容や建物条件に応じて、最適な施工方法を選ぶための参考にしてください。

①直貼り工法

コンクリートスラブや合板などの下地に接着剤で直接貼る施工方法で、下地材を使用しないため工期の短縮や施工コストの削減が可能です。
施工時には構造に直接衝撃が伝わるため、遮音性能を高めた緩衝材付きの防音フローリングを選ぶことが重要で、マンションの防音規定に合った製品を使用することで快適な住環境を実現できます。直貼り工法は、工期・コスト・床厚のバランスに優れた実用的な床工法です。

②二重床工法

コンクリートスラブと仕上げフローリングの間に空間を設ける施工方法です。防振ゴム付きの支持脚でフローリングを支えることで、上下階への衝撃音を抑え、遮音性を高める効果があります。また、床下空間には給排水管や配線を設置できるため、メンテナンスや将来の間取り変更も容易です。戸建て用の直貼りや捨て貼りフローリングも使用可能で、マンションや集合住宅など、遮音性と利便性を重視した建物で広く採用されています。

③遮音マット工法

遮音マット工法は、床下地に遮音マットを敷き詰め、その上に合板を捨て貼りしてフローリングを施工する方法です。
フローリングの下に遮音マットを挟むことで、スプーンを落とした際の軽い衝撃音やテレビなどの生活音が階下に伝わるのを効果的に抑えます。
施工性にも優れており、既存の床を撤去せずに上貼りリフォームが可能な製品も多いため、マンションなど集合住宅での防音対策として広く採用されています。

④カーペット施工

床全面に防音性の高いカーペットを敷き詰める施工方法です。カーペット自体が柔らかく、足音や物を落とした際の衝撃を吸収するため、防音フローリングと同様に床衝撃音の軽減効果があります。
さらに、下地に遮音パッドやフェルトなどを組み合わせることで、より高い遮音性能を発揮します。
施工が比較的簡単で、張り替えも容易なため、リフォーム時にも採用しやすい工法です。

防音フローリングを選ぶ際の注意点

防音フローリングを選ぶ際は、遮音等級の数値だけにとらわれず、建物の構造や施工条件との相性を確認することが大切です。
スラブ厚や床暖房対応、歩行感など、実際の使用環境に影響する点も事前にチェックしておきましょう。

スラブ厚による性能変動

床の遮音性能は、建物のスラブ(コンクリート床)の厚さによって大きく変わります。
スラブが厚いほど振動が伝わりにくく、衝撃音が軽減されやすい一方、薄いスラブでは防音フローリングの効果が十分に発揮されない場合があります。
そのため、選ぶフローリングの遮音等級は、スラブ厚を考慮したうえで判断することが重要です

床暖房対応可否の確認

防音フローリングを床暖房と併用する場合は、対応可否を必ず確認しましょう。
床暖房の熱や温度変化によって、フローリングの反りや膨張が起こることがあり、対応していない製品では性能や耐久性に影響する場合があります。
対応可のフローリングを選ぶことで、快適な暖かさと遮音性能を両立させることができます。

歩行感(ふわつき感)への対策

防音フローリングでは、床下にクッション層を設ける構造上、歩行時に「ふわつき感」を感じることがあります。
特に軽量床衝撃音対策を強化した製品ほど、この感覚が出やすいため、施工前に実際の歩行感を確認することが大切です。必要に応じて、下地の補強や適切な施工方法を組み合わせることで、快適な歩行感を確保しながら遮音性能を維持できます。

【LDKplus】おすすめ防音フローリング3選

LDKplusで取り扱っている中から特におすすめの防音フローリングを3つピックアップしました。デザイン性や遮音性能とあわせてご紹介します。

大建工業/イエリアオトユカ45

大建工業 イエリアオトユカ45 セレクト プレミアムウッド柄(147幅タイプ) YB12545

階下への音を軽減する防音床材。防音性能はLL-45(ΔLL(I)-4)です。定番からトレンドまで豊富な色柄が揃い、さまざまなインテリアスタイルにマッチする人気のアイテムです。

大建工業/イエリアオトユカ40

大建工業 イエリアオトユカ40 セレクト プレミアムウッド柄(147幅タイプ)  YB12740

階下への音を軽減する防音床材。高い防音性能(LL-40/ΔLL(I)-5等級)をもつマンション用床材です。トレンドを映した豊かな木目の表情が魅力。淡色から濃色まで取り揃えたラインナップになります。

朝日ウッドテック/ライブナチュラル MSX ネダレス145 for Dog

朝日ウッドテック ライブナチュラル MSX ネダレス145 for Dog 1Pタイプ HLBW00

小型犬の足腰に負担のかかりにくい滑りにくさを備えた、天然木仕上げのマンション用直貼り防音フローリング。防音性能は最も高いLL-40をクリアし、マンションリフォーム等で高い防音性能が要求される空間にも最適です。

まとめ

防音フローリングは、足音や物の落下音を軽減し、集合住宅でも快適な暮らしを実現する床材です。軽量・重量床衝撃音の違いや、遮音等級(LL・ΔL)を理解し、管理規約や建物構造に応じて選ぶことが重要です。施工方法によってコストや工期、歩行感、配線・配管の自由度が変わるため、用途や条件に合った工法を選びましょう。

LDKplusではデザイン性と遮音性能を兼ね備えた防音フローリングを取り揃えており、快適な住環境づくりの参考になります。