床リフォームどうする?おすすめ床材や工法、ポイントをご紹介

お部屋の印象や住み心地を大きく左右する「床」。毎日歩く場所だからこそ、傷みや古さが気になりはじめたら、リフォームを検討するタイミングかもしれません。とはいえ、「どんな床材を選べばいい?」「工法って何があるの?」「リフォームする時の注意点ってなに?」など、気になるポイントはたくさんあります。
そこで今回は、床リフォームを考えるうえで知っておきたい基本情報から、おすすめの床材や工法、選び方のコツまでをわかりやすく解説します。
床材の主な種類は?
床リフォームの前に知っておくべきことのひとつは、床材の種類です。
リフォーム前に知っておくことで、床材の選択肢が増え、より良い床材を見つけることができるでしょう。
床材の代表的な種類として、大きく下記の5種類が挙げられます。
■無垢フローリング
■複合フローリング
■フロアタイル
■クッションフロア
■畳
それぞれにメリット・デメリットがあるため、リフォームするお部屋にはどの床材が適しているか、比べながら検討しましょう。
無垢フローリング

自然素材の魅力を最大限に活かした本格派の床材
無垢フローリングは、1本の木から切り出した天然の木材を使用した床材で単層フローリングとも呼ばれます。天然木ならではの温もりが感じられ、1枚1枚異なる木目の風合いは唯一無二のデザインです。無垢材は吸放湿性に優れており、室内の湿度を調整することで快適な空間をつくります。
一方で、経年変化によって傷や変色、日焼けが生じる場合が多く、メンテナンスに手間がかかる点がデメリットといえます。手間を嫌がらず経年変化も風合いとして楽しめる人に向いているでしょう。
メリット
・天然木の風合いや香りを楽しめる
・1枚1枚異なる木の温もりが感じられる
・調湿性があり快適な肌触り
デメリット
・価格が高くなりやすい
・経年変化で変色・日焼け・傷が生じやすい
・メンテナンスの手間がかかる
こんな人におすすめ
・自然素材にこだわりたい人
・木の経年変化を楽しみたい人
・高級感のある空間を求める人
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複合フローリング

性能とコストを両立した万能型の床材
下地に合板などの基材を使い、表面に薄い天然木や化粧シートを貼った構造の床材です。住宅用として広く普及しており、床暖房対応や防音・ペット対応などの高機能モデルも豊富です。
無垢フローリングに比べて質感はやや劣りますが、費用を抑え、木の風合いを感じたい方やメンテナンスの手間を抑えたい方に適しているでしょう。
複合フローリングの種類
複合フローリングは、大きく分けて以下の3種類があります。挽き板や突き板を貼り合わせたタイプは、樹種によるものの、無垢の風合いを保ちながらも価格を抑えやすいメリットがあります。化粧シート床材は、デザインが豊富なのでリビングやダイニングなど家族が集まる空間の床材を、よりリーズナブルな価格でお求めの方におすすめです。
挽き板

天然木を2〜4mmの板状に切り出した木材を合板などの基材に貼った床材
突き板

0.2〜1mmほどのシート状にスライスした木材を合板などの基材に貼った床材
化粧シート床材

木目等を印刷したオレフィンシートや樹脂シートを合板などの基材に貼った床材
メリット
・コストパフォーマンスに優れている
・無垢材より反りにくく安定性が高い
・施工しやすく種類も豊富
デメリット
・傷つけてしまうと中の合板が見えてしまう
・商品によっては、作り物感や安っぽい印象を受ける
・無垢材に比べて、耐用年数が短い
こんな人におすすめ
・コストと見た目のバランスを重視したい人
・床暖房対応やペット対応など機能性を求める人
・メンテナンスが簡単な床材を選びたい人
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フロアタイル

デザイン性と耐久性を兼ね備えたメンテナンス性の高い床材
フロアタイルは、塩化ビニル樹脂やセラミックなどで作られたタイル状の床材です。人気の高い石目調や大理石調から木目、無地などデザインが豊富でインテリアに合わせやすいのが魅力。耐久性や耐水性を備えた製品が多く、拭き掃除などで気軽にお手入れができるため、キッチンや水まわり・玄関など、汚れが気になるところにもオススメです。
置くだけで施工完了タイプのフロアタイルは、DIY施工が可能で賃貸物件にも使えて人気です。
メリット
・耐久性が高く、水に強くて掃除がしやすい
・デザインが豊富でインテリアに合わせやすい
・一部分だけの張り替えが可能
デメリット
・やや冷たく、硬い質感
・クッション性が少なく、足音が響く
・つなぎ目から水が侵入する場合がある
こんな人におすすめ
・耐久性重視で、掃除がしやすい床材を求める人
・インテリアにこだわって、デザインを選びたい人
・DIYで気軽に床リフォームをしたい人
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クッションフロア

クッションフロアは、塩化ビニル樹脂でできたシート状の床材です。一般の方でも施工しやすく、DIYでよく選ばれる床材でもあります。その他床材に比べて一番安価で、デザインが豊富なので様々なお部屋の雰囲気に合わせられます。また、クッション性があり、転倒時の衝撃を和らげるので小さなお子さんや高齢者がいる家庭でも安心です。
ただし、クッション性がある分、重い家具を置くと傷や凹みができやすく、熱で変色したり、溶けたりする点がデメリットです。
メリット
・耐水性があり、水回りに最適な床材
・衝撃・振動・足音を吸収する
・安価でデザインが豊富
デメリット
・耐久性が低く傷や凹みがつきやすい
・熱に弱く、変色や色移り、溶けたりする場合がある
・通気性が悪く、湿気がこもりカビが発生する場合がある
こんな人におすすめ
・安価で水回りに適した床材を探している人
・子ども部屋や音を響かせたくない部屋に使用したい人
・DIYで気軽に床リフォームをしたい人
畳

い草や和紙などでつくられる、日本の伝統的な床材です。畳はフローリングに比べて柔らかく衝撃吸収性にも優れているので赤ちゃんや小さなお子様の遊び場やお昼寝スペースとしても最適です。昨今は、琉球畳とよばれるような周りに縁がない正方形タイプの畳が特に人気です。
和紙や樹脂でつくられた畳は、ダークカラーやパステルカラーなど様々なデザインがあり、洋風リビングの一角に、畳コーナーを設けた和洋折衷デザインの住宅も増えています。
メリット
・衝撃吸収性に優れており、防音性がある
・湿気を吸収・放出し湿度調整ができる
・い草の香りは、リラックス効果や鎮静効果をもたらす
デメリット
・定期的な表替えやメンテナンスが必要
・湿気や温度変化によりカビやダニが発生しやすい
・摩耗や汚れが目立ちやすく、傷つきやすい
こんな人におすすめ
・和の雰囲気をお部屋に取り入れたい人
・赤ちゃんや小さなお子さん、高齢者がいる家庭
・防音性を重視する人
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床のリフォーム工法は2種類
床をリフォームする施工方法として、「貼り替え工法」と「重ね貼り工法」の2種類があります。それぞれの施工方法について詳しく見ていきましょう。
貼り替え工法

現在の床材を撤去し、新しい床材を貼り替える工法になります。
今ある床材を完全に取り除き、新しい床材を貼りますが、下地の状況により下地合板、床根太、大引、土台の補修・交換が必要になる場合があります。そのため、手間がかかり工期が長く、リフォーム費用が高くなりやすい点がデメリットです。
しかし、既存の床を解体する際に下地の状態の確認ができるため、必要に応じて下地を修繕することもできます。
メリット
・下地合板の現状把握ができ、痛みを修繕できる
・段差をつくらず施工ができる
・床の高さを自由に調整できる
デメリット
・手間がかかる
・工期が長くなりやすい
・費用が高め
重ね貼り工法

重ね貼り工法は、今ある床の上に新しい床材を貼る工法です。
既存の床材を撤去する必要がないため、貼り替え工法に比べて工期が短く、費用も比較的安価に抑えられます。
しかし、既存の床材の上に新しい床材を貼ることで、床の高さが上がり、施工後に段差が生じる場合があります。また、扉や巾木などに干渉する場合は施工できなかったり、建具等の調整が追加で必要になる場合もあります。
メリット
・工期が短い
・費用が比較的リーズナブル
・既存床の撤去・処分費の節約やごみの削減ができる
デメリット
・現在よりも重ね貼りする床材の厚み分、床が上がる
・新しい床材を貼ったあとに段差が生じる可能性がある
・既存の床材を剥がさないので、下地の状態を確認できない
床リフォームする際のポイント
床リフォームをするにあたり、知っておくべきポイントを解説していきます。
どのお部屋の床をリフォームするか
お部屋によって、適する床材の種類は異なります。どのお部屋をリフォームするのか、決めてから床材を選んでいきましょう。
たとえば、家族やお客様が集うリビングやダイニングには、心地よさやデザイン性を重視した床材を選ぶのがおすすめです。キッチンや洗面所・トイレなど水回りには、耐水性のある床材を選ぶとメンテナンスが簡単で長く使用することができます。
この様に、それぞれのお部屋にあった床材を選ぶことが大事です。
壁・扉などの部材や家具との相性
床材は部屋全体を占める面積が多いので、インテリアを左右する大きなポイントの一つとなります。床材を選ぶ際に組み合わせる壁や扉、家具とバランスよく馴染むかどうかを考慮して選ぶことで、お部屋全体に統一感が生まれます。
ナチュラルな雰囲気、モダンなテイスト、シックで重厚感のある雰囲気などお部屋全体のイメージを統一し、合う床材を選びましょう。
床暖房対応やペット対応など求める機能があるか
床材の中には、機能性に優れた製品も多くあります。たとえば、床暖房対応やペット対応、抗菌・抗ウイルス性能を持った床材などご希望に合わせて選んでいきましょう。
また、戸建てとマンションでは床材の施工方法や必要な機能などが異なります。様々な要因を考慮し、最適な床材をお選びください。
どの工法でリフォームするか
「張り替え工法」と「上張り工法」のどちらの工法を選ぶべきかは、お住いの状況や予算、施工のタイミングなどによって異なります。リフォーム業者や施工会社などのプロに相談し、最適な工法を選ばれることをおすすめします。
マンションの床はリフォームできる?
マンションでも床のリフォーム自体は可能です。ただし、戸建て住宅に比べると様々な制約があり注意が必要です。
リフォームを検討する際は、まずはマンションの規約を改めて確認しましょう。規約でカーペットや畳からフローリングへの変更が禁止だったり、管理組合に確認し工事許可が必要な場合が多くあります。
また、多くのマンションでは管理規約により、階下へ足音や生活音が響かないように「床材の遮音等級がL-40であること」など厳格な製品基準が決められていたり、床暖房の工法が指定されていたりする場合もあります。
戸建て住宅に比べると住人の都合に合わせて対応できないケースも存在しますので、あらかじめこのような注意点を知っておき、準備を進めることをおすすめします。
まとめ
今回は床リフォームをするにあたり、床材やリフォーム方法、注意すべきポイントなどをご紹介しました。
床は自分の足裏に直接触れる部分でもあり、また部屋の雰囲気を大きく左右させる部分でもあるので、機能とデザインを考慮して、床リフォームは慎重に行いたいものです。
床リフォームをする際に、まずはどんなリフォーム方法が自宅の床に適しているのか、そしてどんな床材を選ぶべきかなど、計画をしっかり立てて後悔のないようにしましょう。